「それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?」という葛藤について
私が「うわあ、こいつマジか」って感想を特に抱いてしまう相手には一定の傾向がある。
例えば、「自分はこんなにもXXに優れている」「XXを知っている」という話をしておきながら、XXにまつわる代表的な話を振ったら、「何それ、それは知らないけど・・・」と真顔で言う人。純文学が好きだと言って、金閣寺も細雪も知らない、みたいな。週刊少年ジャンプが好きだと言って、ワンピースもドラゴンボールも知らない、みたいな(これはマジで実在した。「ワンピースとか大衆にウケるものが自分は苦手で・・・ジャンプのなかでも幼女戦記が特に好きで・・・」と言われて、まともにジャンプを読んだことがないんだなってことはよく分かった)。
あと例えば、「自分はこんなにも仕事ができる」「会社で色んな人に頼られて、仕事たくさん振られて困ってる。仕事ってできる人に集まりがちじゃん?」という話をしておきながら、飲み会のムーブがマジで終わってるいい年齢こいた中年。「飲み会やって!」と言うだけで、お店の選定、メンバーの招集、予約、連絡係、会計の立替、なんならアラカルトのメニュー決めすら目下の人(と本人が思ってる相手)に丸投げして、真顔できっちり割り勘とか。仕事ができて、色んな人に頼られている・・・?自認は「みんなの姉御」なのか?「ゴリゴリのテイカー気質の高圧的なオバはん」やぞただの。
自己評価と他者評価に大きな乖離があり、そのことにまるで気づいていない・・・うえに、年齢だけは重ねてしまって無駄にプライドも高そうな人がとにかく嫌い。まぁ「浅慮なのにプライドが高そうな人」って、誰もがキショっ・・・て感じでしかないわけやけど、なんでこんなにも嫌悪感を抱くものなのかずっと考えていた。
最近、「スカシ続けることが割と苦痛だ」と思っているからだと気づいた。
ここでさらに例を挙げよう。入社したての新卒が自己紹介で「東京外国語大学、英語専攻卒です」と言ったとしよう。これに「そうなんだ、じゃあやっぱTOEICは高得点なの?」と返したとしよう。ここでこの新卒のTOEICの最新スコアが、250点だった場合・・・
・「いや~!高得点ですよ!なんと、250点もあるんです!」と返す。→どう聞いてもギャグのニュアンス、話のオチにしていることがわかりやすい
・「あ、実は・・・英語専攻卒なんですが、ホントTOEICだけは苦手で・・・250点。なんかガッカリさせてすみません・・・」と返す。→自分のスコアが低いことを自認してはいる
くらいしかパターンとして自分では思いつかない中で、キショいなって人の返しはこうなのだ。
・「え?250点ですが・・・」(真顔)
これを目の前で食らうと、は?ツッコミ待ちか??これ、「おいお~い!!めっちゃTOEIC低いやんけ!!」って言っていいのか?え、なんで真顔なん?「250点ですが、なにか?それでも私は東京外大の英語専攻卒ですが?」って感じなんか?え?ボケ?ボケじゃない?どっち?よく分からんからスルーするか・・・
って、頭の中でめっちゃ考える。「細雪を知らない自称純文学オタク」「オフの飲み会でクソほど高圧的でおまけにきっちり割り勘なのに、自称みんなに頼られて、自称会社での評価が高い自称シゴデキお姉さん」。このイタいキャラを、ギャグでやってるのかマジでやってるのかよくわからんけど、マジっぽいなこれ、って人がとにかく苦手。
プライド高そうやし、なんかツッコんだらキレそう。ボケてんのかよくわからん、めんどくさ、とりあえずスルーだ・・・という、自分の「スカシ」が、まぁもう苦痛。結局その場は「ヘースゴイデスネ」で乗り切って、後から愚痴って昇華する、以外に発散する方法が見つからない。
ほんで、友人たちに飲み会の場などでめっちゃ面白おかしく話して、「なんでこんなに認知のゆがみが起きているんだろう?」とふと漏らすと、友人が教えてくれた。「あの人はね、みんなから愛されて、誰にも否定されないでこれまで生きてこれたんだよ。きちんと競争を経験することもなかったんだよ。誰にも負けないオンリーワンの存在なんだよ。簡単に『負け』られるわけないじゃない?」と。確かにその人がその性格(with 中二病レベルの認知のゆがみ)でここまで生きてこれたのは、その人の環境がそうさせていたのだろうなと、そしてそれは幸せなことなんだろうなと思った。知識や能力と比較してあまりにも高すぎるプライドをお持ちのようだが、それをどこでも折られなかったというのは、強者といえば強者だな。
何でこういう人って、会話の導入部で無駄にフるんだろう・・・オトすつもりもないのに・・・。あ~また自分語りしてフッてるわ~、自分スゴイってエピソードトークだわ、能力がスゴイ、人脈がスゴイ、知識がスゴイ、はいはい、これもオチはないし、ちょっと深掘りしてツッコミどころがあったとて、ツッコんじゃいけないんだな~~~なぜならボケてないから、マジだからこの人。誰にもツッコまれない狩野英孝さんみたいなモンか・・・。ホンマに仕上がってんな~色々
って、スカシ続けるのが辛いってだけの話。話の内容はとにかくおもんないけど、生き様はお笑いってどないやねん。折れられない、負けられないって大変そう。ちなみに今東京外国語大学に英語専攻なるものはないし、これは全てフィクションです。
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